八雲空の絵空事スケッチ

八雲空が感じたことを書きます

哲学を学んでいて感動したこと

 

昨日哲学の一つの分野である現象学の授業があり、メルロ=ポンティの他者論を学んだ。そこでは、自己が持つ意識は、対象となる物質や精神があって初めてそれを意識できるはずで、自己や他人も意識される以前では共存していて、意識する/されることで発生する分化も、共存状態の延長であると言える、という論理が展開された。メルロ=ポンティはこれを間身体性という概念を用いて説明している。

メルロ=ポンティはこの考え方から個人主義を批判する。つまり、個人主義は自らに存在する制限(例えば身体)の範囲における自由がすべてという考え方だが、間身体性という観点から考えると、自由を意識できることもまたその対象があってこそであり、自由を意識するための自己の意識の発生に不可欠といえる他者、延いては他人の意識を蔑ろに扱うのはおかしい、ということである。

ぼくはこの考え方を学んで感動してしまった。というのも、ぼくは今まで個人主義的な考え方を支持していて、他人への感謝を忘れがちな性格が強かったのだけど、間身体性という観点から考えることで、他人とぼくは違う存在だけど対等であるべき存在で、しかし両者の間にはしっかりとした境界があるということがよくわかったのだ。

また授業後に先生と話して、他者への意識と他者への感想は違うものであるということにも気づき、さらに感動が深まった。ぼくはぼく、他人は他人という当たり前のことだけど、初めて頭で理解できた瞬間だった。

 

今まで個人主義的な考え方により対人の際にもどかしさを覚えることが多かったのだけど、これからは他人は他人ということをしっかり理解したうえで、感謝を持って接していきたいとぼくは考える。

 

あと余談だけど、こういう感動は視野が広がったことによるところが大きいと思う。理系のぼくが、哲学をはじめ文系の勉強を好んでしたいと思う原因もそんなところにあったらいいなとか思った。

 

                      今日は曇っていた  ^^) _旦~~